赤白黒のデカ旗下ろす瞬間、呼吸ととのえるゴール裏
つぶれてもつぶされても無駄になってもまた最初から力ある限り
それがサッカー

U R 【20000928】浦和レッズvsコンサドーレ札幌

Official Matchday Card (*) : 土橋正樹
MDP表紙:フェルナンド・ピクン

急に風が冷たくなってきた。東ゴール裏のお兄さんたち皮ジャン着てるし。平日なのにそこそこ埋まるバックスタンド。札幌戦最終ラウンド。
それにしてもMDPの、この気の抜けた表紙はなんだろう? なんで今日、ミヤと盛田の昔話なんだ? 選手個人のコメントよりも今必要なのは選手同士の対話、俺たちのチームについてじゃないの(もちろんシーズン中はその内容をここに書かなくたっていいけどさ)。MDPがそういう場って設定できないの?

18:20、ウォーミングアップ開始。この時間、9番倉庫で数10人の有志がデカ旗準備に着手してるはず。開門前、一人の男がグループで並ぶ人たちにスカウトにまわってた。風が強いから70人ぐらい必要だけどまだ半分ぐらいしかいないって。今日は3色揃って出る。
代表候補合宿から小野が戻り、期待のアジエル入れて、で永井がサブ? 阿部ちゃんサブ? だからってトモは押し出し? 玉突き人事かい! トルシエ臨席、ってちょっと違うよそれ?
もう「今日は絶対に勝ちます!」なんてセリフききたくない。アジエルに「日本一のサポーター」なんて無内容なコトバ教えたの誰だ? すべては駒場のピッチで体感しろ、プレーで応えろ。頼むぜ!

19:00、赤白黒のデカ幕がおり、紙吹雪が舞う。盛大に振られる旗、厳然と掲げられるゲート旗。ファースト・インプレッションと手拍子と声援と同居する不思議な静寂さ。すべての精神を集中して願う「札幌に勝ちたい!」。その気持ちの頂点で頭蓋骨を揺さぶる大コール。キックオフ。

ホームとは思えない半端なパスをいきなり狙われ、3ブラジル人のひとりがシュート、早くもCK。そのボールがヘッドで流された先になぜかフリーなエメルソン。スパッと先制される(5分)。早くも崩れる全員セットプレー。ほんとに練習してたの?声も出ない。いやいい、良くなかったんだから切りかえればいいんだポジティブに。が、城定、室井、石井、みんなどーしちゃったの?ってぐらい凶悪なボール出す。トラップミスで続かない。落ち着いて! それでも即ピンチにならなかったのは敵もいまいちだったからか。スコアみて叫びながら、レプリカに袖とおしながら、仕事帰りが次々ゴール裏にもはいってくる。誰かのシュートがバーを越え、伸二のFKは壁に当たる。差をうめられず前半終了。

隣の男のすごい嫌な大声が前半20分すぎからエスカレートして、試合の内容以上にその口汚いヤジと罵倒がサイアクで、払っても払ってもそれに支配される自分の心がイヤでたまらなかった。おまえらやる気あんのかよー!って声で誰がやる気を出す? 個人攻撃。その声、鼓舞する方向に変えてよ、あーもうっ!
「なぁんだよー来年もJ2かよーー」、そのとき、わたしが自分の力を信じていたら彼をぶっとばしてたかもしれない(←いかん!絶対いかんぞ)本当にアタマきた。でもわたし、このときだけは「ヤジはやめて!」って言えなかったんだ、それも事実。すかさず前方のコールリーダーから「負けないんだから!」と男を諭す声が飛んできた。
クソ試合ぶりを眼前に、巣食いだした諦念をあぶりだすこのコトバ「来年も――」。でも、集中して試合見て応援するのアホらしくなる瞬間、わたしたちがもうサポやってけないって思っちゃう瞬間、選手はもっと挫けそうになってるんだ。自分を慰めるのは後でもできる。選手に救いを求めるな。いま選手に贈れることだけに集中しようよ!

後半、阿部ちゃん入って少しはボールがまわるようになる。ボランチ似合わない感じどーしてもするけど、他がいない? 向こうでつづいたピンチをしのいで、深めのところからボールをもってアジエルが岡野にスルーパス。シュート!!!は誰かにあたってバーにあたって出る。
セットプレーで室井がアタマを振ったときの気迫(ボールはGKの手元に落ちたけど)。イチ、いいぞ! アジエルの左からのCK、大きく右に曲がって、でもドキっとする軌跡と速度。ファーの誰かにうまく合わせたら。
永井がはいった直後のアジエルのCKをアンジーがヘッド(めずらしい…)決める! やれるじゃんよ同点!(70分) 突然甦るゴール裏、いっきなり血管に血めぐって(危)、わたしら今のいままで全身機能停止してたんじゃって思うほど。追い上げたほうが有利だよね?ね?(←さして好材料がないのでそう思うしか) 「アレ浦和」。
が、やっぱりパスはつながらず、もたついてる間にあっさりコンサボール。焦ると戦いを投げるようにボール出す。チャンスはオフサイドで終る。これがレッズの練習の成果。再びしぼむ希望と応援。マーカー背負ってるとき、ボールもつDFに敵が近づいてるときに声がない。あーメイン側の誰かー!かわりに叫んで〜っ!!
城定出して永井って、3バック? でもそれで永井はどこ? てゆーかこのシステムって何? 練習してんの? 戦術…はなくてもせめて決まりごと、みんなわかってる? このチームって左MFばっかじゃないスカ?(←やけくそ
あー五輪の最初の2戦でフォーメーションてあんなに機能的な意味あるって知ってショックだったよ(爆)。
今日のコンサ、チームとしては過去最高に良くないよ? でも、ライン際のボールの処理、パス来そうなタイミングで2人が両側から寄せる守備(準々決勝のアメリカ風?)、最低限の約束事が、めちゃくちゃ基本的な意識の徹底と基礎訓練が、ゲームを支配。それだけじゃつまんないよーっ
田北のフィードがピンチを招く。こんなときこそ励ますようなボール蹴ろうよ田北。新入りのアジエルだけが人を生かすプレーをしようとしてる、ダメならつっこむ。でもアジエルが伸二にパスした後、立ち止まってしまったのが気になる。伸二、きみはここにいるからにはキャプテンだよ?
ロスタイム直前、岡野が右サイドを突破して、アジエルがスルー、そこにアンジー走りこみ!!! 絶対決めて!と念じたがボールはバーを大きく越え。う"〜。フリーだったのに。久々に前目のヤマがクロスを出すがアジエルのシュートが外れて1-1で延長へ。

「ウォリアー」で延長開始。なんでかナギーにイエロー、コンサ側にもイエローで、どっちか決めそうなエントロピー増大な時間帯、まずアジエルがFK狙ってGK正面(97分)。その1分後、第1ブラジル人・エメが右サイドを突破して、第3ブラジル人がシュート、左ポストからの跳ね返りを第2ブラジル人に押し込まれ…。
遠くの対面で一斉に翻る旗、嬌声。コンサの選手が、西側ゴール裏(レッズサポ区画)まで走ってアピールしてるふざけんな!
選手が西に、続いてこちらに向かってくる。ブーイング?ペットボトルが1本、、、2本、数本。「やめて!」と声。遠くにバラバラの姿勢の選手たち。涙もでない。立ってるのが精一杯。
第1戦、コズルク狙われた1点(あのときのうっちーの顔…)で負けたけど、戦術はハナからなかったけど、気持ちに差はそれほどなかった。第2戦@室蘭は先制されるもペトロのクロスを後半投入されたアンジーが決め、気迫で引き分け(こんときも3バックになったんだっけ)。第3戦@厚別は……あのときわたしたち話し合ったよね。それより悪くなるとは思わなかった。
ホーム2連敗より、コンサに1勝もできなかったことが悔しい。
オーロラビジョンの他試合結果。レッズが1点しかとれなかった甲府から4点とって大分快勝、勝ち点差ついに2。ホーム2連敗が悔やまれる(←こら)。

ようやく外へでると、夜店見物風味で本日発売サポーターカレンダー(2000円)をのぞきこむ人、人。2000人超のサポとファンと選手の写真。自分のは色モノコーナーでショック。でも阿部ちゃんの近くだからいいっかー()。トシヤなんでハダカなの?(←転換早すぎ) 写真撮ってもらったのは6/4札幌戦の1時間前。まず一勝!気合い込めた。あの夜から、それぞれの苦しみがはじまった。
辛くてつぶれそうになる思考が次々と浮かぶ。連鎖する。出たら最後帰れないからとサボった仕事、明日どうやって復旧しよう。めちゃめちゃ気が重い。落とし前は自分でつけるしかないが、選手とチームには中2日しかない。……。
観衆:16,068人
(A自由をのぞき完売。期末月末の木曜日、にしてはたしかに全体に入ってたが)

公式記録:ここ
試合結果:公式HPのここ
試合経過:公式HPのここ

ここらのペットボトルは重石です…
それでも応援の準備をし、終れば静かに撤去する
われらの気持ち、選手の心を焦がしますように
UR