U R 【20001007】浦和レッズvsベガルタ仙台

Official Matchday Card (*) : 河合 竜二
MDP表紙:吉野 智行

新潟戦の翌々日10/3。考えつくことはすべて出し尽くし、選手に念を送るのみ…とあちこちのレッズ系HPみてたら、ニッカン*に「横山GMが総監督就任」の記事が。夕方には公式HPで公表され、さらには練習がいきなりトップ&サテ合同@大原10:00/15:00 1日2回興行×2連続に変更!って、おぃそれじゃ選手壊れちゃうよ〜!!ぢゃなくてやっと練習する気になったのねレッズ! 
しかも春先から浦議*で再三議論されてきたフィジカルコーチがついにお目見え!?しかもそれはフラビオ/元・日本代表フィジコってきこえてきて(ネタ元は「れっず君*)、間に合うのか!! いや悪くはならないさ! 社内人事や横山GMが…の評価はおいておき、とにかく今は「変わろう」という信号だけいただく。この動きを味方に自分らで変わってほしい。息を吹き返せ、選手たち。
翌日各紙をチェックしたら、トウチュウはなんとトップ記事! レッズが1面なんて伸二坊主化を除けば11.27以来? でも見出しは「浦和勝ち点没収」。…。サポがもの投げて暴れるからリーグ側で検討中って少し前から掲示板で話題だったネタ。でも添えられてるのは去年のJEF戦の発煙筒写真(シーズン後、JからJoin賞もらってるんですけど)。
公式HPには中川代表からの「ラスト7試合、総力をあげてのサポートのお願い」。僕らクラブも全力で臨むからサポもよろしくねって、もっと前から総力あげんかい! 

昨日、大分は新潟にきっちり90勝して(そっちでも決めろよ鳴尾〜っ)勝ち点68(レッズは67)で2位浮上。得失差は+35(レッズは+36)。もうそんな状況。

徹夜でダンマク仕上げて駒場に着いたのは12:15頃。まだたくさんの人が並んでいたので東側にまわると、ちょうど最後尾が入りおわって入場整理用のゲートを撤収するところ。新システムのチームをじっくりみたい気持ちもあったが今は応援あるのみと立ち位置を確保した後、初ダンマクの旅へ。バック側1Fはもう一杯…ゴール真裏のUBダンマクの後ろがあいてる? OKもらえたので、なんとかよじ登って――筋力のなさにゼツボー的な気分になり(&高所恐怖症)、結局ゴール裏諸氏に手伝っていただいた(感謝)。ここに選手ダンマクは気が引けるが、今日は許して。

MDPの表2からアントニオ斉藤の写真が消え、HPと同じ中川代表の「お願い」と横山総監督のインタビュー。これ、いきなり見た人、意味わかるのか? やっと表紙の吉野、編者としては「出せ」つー意図だったんだろうが、新システムでついにスタメン。
チームの狙いも自分の役割もはっきりした」「どうやって勝ちに行くのかはっきりした」「緊張感を歓迎」と選手たちのコメントが並ぶ(いままで「狙い・役割・勝ち方不明、緊張感なし」だったのねやっぱり。でもコレって選手にはどーしよーもできないことなの?)。ヤマのいう「個人の責任のはっきりするプレー」(これまでは誰のせいでもない失点?)は、んー、4バックのラインDFから3バックのマンツーマンに変わったという以外に含みあり?
ことさらにヘンな写真(右手をあげてジャンプしてるアンジー@新潟戦、フラビオと一緒の石井のみょーなポーズ、何してんのこれ?→オシエテ)、応援コール集など揃えてレッズサポの「戦犯・横山」に対する疑念(怨念?)かわすMDP。

ウォーミングアップは一変。なんつってもアベ・イチ(鹿仕込み)が目立たない(笑)。フラビオが真ん中に入って別チームのような緊張感あふれるメニュー。てゆーかバテないか心配(爆)。新潟戦直後の横山からの電話に応え火曜昼に成田に着いたフラビオ、そのまま練習場に直行なんて話はできすぎ。それからわずか4日で何ができたのか。小野不在というのに今日の駒場は取材が目立つ。レッズ改定版は、リーグ戦初出場のGK西部、ピクンがストッパー、土橋・室井、阿部・石井のダブルボランチ、城定・山田がウィング、トップ下にアジエル・吉野、でアンジー ワントップ。

選手紹介の直前、いきなりあの曲*がかかって、いつもの2曲前、3曲前がなかったことに気づく(そういえば前節札幌戦のときから3曲前はかかってないかもしれない)。そこまでもJスタート時からのお気楽ダンスミュージックを止めて、'70〜'80年代のロック中心の選曲。いきなりパーマあてたUBのコールリーダーの髪。「変えたい」――駒場を支配する意志

太陽がまだまぶしい15時。First Impressions鳴り渡る直前の静寂・のっぴきならない緊張感の中はじまったのは「威風堂々」。声をひとつに。胸があつい。「ウォリアー」「アイーダ」でキックオフ。FORZAウラーワレッズ!どうしてか涙。

開始早々、セットプレーからイチがヘディング。続いて阿部ちゃんのFKからアジエルがヘディング!(2分)。いやイチかな? え、決まった……んじゃないの? オーロラビジョンにも「GOAL!」の文字が踊るが、ジャッジはオフサイド。
ピッチのみんな、動きが生き生きしてる。うれしい。自信が背中からも伝わってくる。どうしてもっと早く変えなかったんだろう。7/9鳥栖戦以来のスタメンの土橋の丁寧なプレーにみとれる。勝ち試合の守り固めに投入されることの多かった正樹が、抑えるだけじゃない、流れをイメージしたボールを出す。スペースに向かうアジエルにロングフィードいれる。こぼれ球ひろって思い切り良くミドルを打つ。
ヤマって意識的に何かを眠らせようとしてるんじゃ?って新潟戦のときにハッとしたことを突然思い出す。その制御がずれて、とてつもないものがみえたような気のせいのような(それは昔のヤマを知らないからかも)。新ポジションで守備を気にしすぎず高めのヤマは、ずっと生き生きしてて恐い(爆)……いやSBでもある意味のびのびしてたけど。ピンポイントのクロス、精度高いセンタリング。大原の練習で見違えるようだったってきいてたけど、ほんとだ。ケガや故障がないのは適宜サボってるからだし(笑)、違う空気を呼吸してるからこそモノにできるチャンスもあるはず。フラビオなら引き出すかも!

でも後ろのケアが気になる、と思ってたら、大友に抜けられて絶対絶命のピンチ! と西部がすごい勢いで飛び出してきて止めた。ぎゃー!!洋平サイコー! その気迫と集中、声に守備陣がシンクロして、3-6-1とかいってずるずる5バックになっちゃう…てことは最後までなかった。ゴールキックがタッチを割るミスも、サイドの選手を狙ってたってわかる。とても「守護神」にはみえない体からストレートに出る気持ちがみんなを乗せる。
キックミスは、審判もコケる芝の悪さのせいも。中盤やけにヘッドでつないでるから「これもフラビオ効果!?」と思ったけど違うね(笑)。その中盤、城定・山田でサイドから組み立てようという意図はわかる。が、まだとりあえずサイドに渡しとくって感じがぬぐえない。阿部ちゃんがボランチながら実質司令塔になってて、彼らしく機をみてぎりぎりのところでパスを出してるが、キープしてる間に誰か動いてよ〜。あとめったに城定に出さないのはなんでか(阿部ちんって頑固!)。トモの発想はあまり生かされず中途半端になってる感じ。トモ活かすならトップ下よりもう少し自由にしてあげたい。
アジエルのゴールがオフサイドになり、アンジーのシュートは思い切りバーを越え、絶好のチャンスないまま0-0で前半終了。

後半開始直後、右サイドから阿部ちゃんのFK。アジエルが飛び込んで――ボールはゴールマウスの中。喜んだ次の瞬間、ええっ。また取り消し!? 前半立ち上がりと同じ悪夢再来(間接FKがアジエル触らないでそのまま入ったってことらしい)。もう3点も幻だよー。乏しい決定力、無駄にしてもったいなーい(←て言うなよ)。
次行こ、次。ここはジャッジにからむとこじゃない。選手を信じて応援に戻る。
石井のミドル、アジエルのシュート、中盤は厚くなったかもしれないが、入りそうなシュート打たせてもらえない。アンジーとの距離をうまくつかめなかったトモが岡野に代えられる(62分)。てゆーかどうなんだろう。アンジーのポストがいまいちモタってるから、追い越せないのか? サイドアタックもだんだん単調に。阿部ちんがパスの出しどころを探ってるときによそ見してる選手。阿部ちゃんでなくても誰かが声出そうよ?
そしてチャーンスという気持ちをのせたときに、なぜか必ずパスコース上にいる本日の主審・石山昇! 当たったボールが必ずたまたまベガに渡るという、絶妙な読みで「ベガ12番」たる裏の使命を全う(嘘)。審判をパサーにするなんてズルイぞ仙台!
ぎっしりビジター席を埋めた仙台サポから、例によってやる気なくさせるような歌やミョーにひっかかるコールがきこえてくる(なんて言ってんのアレ?ってゴール裏で話題になるなんて珍しい)。でも前半ヤマが痛んだときに囃されたのはきっちり仕返しっ。

ヤジを誰かが「うるせー」と制してやめさせる。「大脱走」。76分、財前にかわり蓮見(←レッズ戦でミドルシュート3点決めてるヤなMF)が入る。自分はなんかそういうこと気にする余裕なくなってた。取られる気はしないけど。取れる気もしない。その蓮見が裏に走りこんで大ピンチ!もまた西部がペナルティエリアの外まで飛び出し、相手が足をあげたところをヘディングでクリアの格闘戦(80分)。うわーっ洋平、大丈夫? おいっ!審判、カードだろうが!! 危機は去ったが、なぜかイエローすら出ず(後でTVでみた彼の顔には、右の額からほおにかけてスパイクの大きなすり傷が。「判断ミスで遅れたので、ファウルになってもいいと思って頭をぶつけにいきました」と)。洋平、ナイスファイト!
洋平の分をとっておくとしてもあと1枚を切らない総監督。ねーっ!!90分で勝つんでしょ!? 永井なんのためにサブなの?いれてよ! いよいよ焦れてきた。
ミドル打つなど闘志みせてた岡野が右サイドを突破しクロスを送るがアンジーのシュートは枠の外。ああ。足場のせいか? 4分もあったロスタイム、力ふりしぼって応援の気持ちぶつけるもいいとこなく過ぎ、勝ち点1を失う。

ダメかもなんて思っちゃいけない。いい方向出てるじゃん、選手信じようよ。頭ではわかっていても表情に出てたんだろう、コールリーダーがトラメガ取ってゴール裏を奮い立たせる。「BOYS in RED」。延長戦は土橋のかわりにウッチー。少したってやっと城定に代え永井投入。さっそくヤマのクロスをへディングするもGKキャッチ。時間ないけどチャンスつかめよ永井! 
イチを抜いて中央からドリブル突破されたボールをウッチーがクリアミス、仙台の選手にあたったボールがGKのまん前に出て絶対絶命。ひーっ。洋平より先に敵が取って打ったループシュート、は、洋平の頭上をふわり、うわ!? と思ったらバーを越えてたらしく後ろに落ちた。……ふう。
アンジーからアジエルへのチャンス続くがちょっとあわない。アンジーから今度は永井が山田にサイドチェンジ。受けたボールをもってヤマが動き出したとき、声、でなかった。ヤマ? いつものようにクロスあげると騙されたDFが抜かれたとき、ヤマ打つ、打っちゃえ〜!という絶叫と同時に豪快に蹴りこまれたボールがゴールの上端につきささる(104分)。ヤ〜マーーーーーっ!!!!! やったよヤ〜マ〜〜〜〜〜ァ(涙)。振り返り両手をあげてバックスタンドに走ってくるヤマの笑顔! 後ろからナギーやアンジー、岡野が迫る(笑)!! ヤーマーーーー。6/24大分戦のゴールもそうだった。大雨の中ペナルティエリアまで切り込んでDF乗り越え左足で放ったスーパーゴ〜ル。ボールは水しぶきをあげてゴールネットに突き刺さった。ヤマの応援歌、歌う。よく見ると歓喜の輪にフラビオがまざってる。きてくれてありがとう! ホントはあんたが監督だ、そうだろ!!

選手たちが西側、バックスタンド、そして東側へ。イチが率先して前へみんなを誘導している。そこでイチがキャプテンマークつけてることにはじめて気づいた。ここ数回の不甲斐ない負けに、誰よりも悔しそうだったイチが。誰よりも大きな声出して、いつだって精一杯戦ってるイチが。ラインを超え、コーナーのこちら側に出てきてくれた選手たち、エールに合わせて手を挙げる。岡野と俊也がコールリーダーに向かって拳で胸を叩いてその手をぐっと突き上げた。タオルを掲げる。「We Are Diamonds」歌う。ヤマ、洋平にコール。「WE ARE REDS」コール。ありがとう選手たち。ありがとうフラビオ。ありがとう駒場のみんな。

公式記録によれば、仙台のシュートはわずか2本。対するレッズは21本。斉藤監督が4バック+ダイアモンド型の中盤で描こうとした「強いレッズ」は最後までわからなかった。約束事が不明でそのための練習もなく選手たちにも理解されなかった(得意なことをそのままやるのではなく「育てたい」という意思が彼にはあったようだが、育てることはしなかった)。下がりすぎてうまくいかなかったラインDFをやめたら、各選手の特徴がそのまま生きる守備と中盤ができたということか。次は突破のアイデアと「90分で勝つ!」つう采配を。

2位 浦和レッズ 勝ち点69 得失差+37 総得点74
3位 大分トリニータ 勝ち点68 得失差+35 総得点69。残りは6試合、次は休みを挟んでアウェーで大分直接対決。
ヒーローインタビュー:山田 暢久
☆まだ興奮してて全然聞えなかった…でもその表情にクギづけ(爆)

観衆:15,410人
(新潟戦の次、つーことでホーム2回ともアウェーの仙台戦を下回る数字)

公式記録:ここ
試合結果:公式HPのここ
試合経過:公式HPのここ
赤く1-0の表示を背にゴール裏にやってくる選手(を撮ったつもりが…)
勝った〜っ!
信じて信じて(除く仙帝パサーaka主審)ようやくひきよせた「勝ち」
UR