U R 【20001029】浦和レッズvsモンテディオ山形

Official Matchday Card (*) : 宮沢 克行
MDP表紙:室井 市衛

突然、ほんとうに夏が終わった。
先週大分で半袖だったことが信じられない。冷たい雨。12月上旬並みの気温。

東側ゴール裏、UBのとなりのブロックの中ほどの通路に立ち位置を決める。西側の入場が遅れ気味のためかバックにまだスペースがあったのでそこにダンマク。売店ではカップラーメンが飛ぶように売れている。ビールは……今日はやめとこ。今日は終わってから時間あるしね。オーロラビジョンでやけに長々と前節・大分戦のハイライト(じゃなくてダイジェストですな)。こうしてみるとあんまりドキドキする試合じゃなかったような気が(TVニュースでみると応援は現場の実感以上に厚く圧倒感あってそれは感動したけど)。そのうち寒さに耐えられずコーヒー200円。え、これにごってる……。

うぅ知らなかったす。バックスタンド裏通路の正直屋売店のコーヒーは最初から甘い

真っ赤なスタジアム。バックスタンド手前は赤いポンチョ一色。K.O.直前になればメインとバック2Fも真っ赤に染まる。
ウォーミングアップがはじまった。カード累積で出られない阿部ちゃんのかわりは? ミヤがスタメンだ。トモが……いない! えー? 昨日の練習ではトモだって。MDPにも柏との練習試合(2-0勝利)でトモがボランチって書いてるし(でもトモのコメントは「(試合に絡めなくても)チームとしてサポートしていく」と微妙に変化)。体調崩した? うーんトモが勝利をひきだすさ〜っていうあたしの今日のイメージ、切り替えなくちゃ。
放送で流れる選手のコメントはやたら大分戦勝利を意識。アジエルの「(大分戦より)今日の試合のほうが大事だってわかっています」てのに、ちょっとアタマかかえそうになる。そうさどれも同じ勝ち点3、精一杯大分に勝ってもこれ落としたら意味がない。けど、ヒリヒリした生身のコトバ、自分との闘いの末に獲得した真理とは感じられなくて、あちこちでそう言われてるからそうだっていう軽さがとれる。優等生の「お題目」になっちゃだめだ、ヤバい。
コトバなんてどーでもよくってプレイがすべてなんだけど、時にコトバは自分を支配するから恐いのだ。

ためていた力を声をぶつけて選手紹介。雄叫びと自分の声とゲート旗とで半分もわからないがかまうものか。横山総監督へのブーイングが今日は消える。主審は岡田正義、吉と出ますように。少しの静寂の後、「威風堂々」。16:04 K.O.。
最初っから飛ばしてきたのは山形。次のボールからはウチの形…また山形。持ってもすぐ取られてドリブルで上がっても最後に取られて攻撃できない。パスを読み後ろからダッシュして絡んで、って山形にのり移るレッズ@大分の魂(爆)。
正樹のボランチがかみ合わない。ミヤのまわりに広大なスペース。「スロウ」「ストップ」にかかったレッズ。猛練習の疲れが今?それじゃ年寄りだっつーの)。スタメンいじりすぎ?阿部ちゃんのかわりに誰か、でよかったんじゃ?と思うがこれが今日勝つための布陣、だと信じて応援〜。

ヤマのクロスにミヤが飛び込むがあわない。ヤマの長〜いドリブルもあげるまえにカット。プレーが狭いよー息ぐるしー。動きも意志もバラバラ。立て直そう、開こう、もっと効率的な応援ってないのか、もっとできることないか。早くも焦れる(←もう少しこらえろよ)。応援のせいで選手の声が聞えない? いつもと同じメンバーじゃないんだし、いっそ静かに見守るほうがいいのか?(苦悩)。見てるとこから近いせいもあるけど左サイドのミヤの動きが目立つ。上がるの遅い、戻りも遅い、パスを受けられない、チャンスを流す。ピンチまで招く。今日のレッズがすべて集約されて見えてしまう。
そんなムードの中、ドリブルで抜こうとした永井がちょっとの戸惑いからカットされ、左サイドを突破され、最後の最後で戻った永井がスライディング。が、うまくいかずシュートがーーーっ。入っちゃった(14分、根本)。頭を抱える永井。違うよ自分を責めないで下向かないで! とそのときUBから永井コール。届いてお願い。
ショックからなかなか立て直せない、もうミヤをかえるしかってとこまできちゃった。36分、ミヤから岡野(ミヤをあそこで使うならもっと連携練習必要だったってこと)。正樹が左サイドへ。永井のポジションがまたも不明。みんなの意識が闘志が空回り。相手ブラジル人・エドウィンがそこをついてボールをゲット、危機も数度。

0-1のまま後半へ。「修正」に期待したが、下がる下がる。わーん、これじゃ「口を酸っぱくして注意したんですけど」て言いつづけただけのアントンと同じだよーん。広大な中盤で山形に思いっきりミドル許す、ひやひやのコースにも打たれる。洋平がやっとCKに逃げるシーンも。だからって恐がらないでー。俊也もっと前に出てー。
大分戦ではマークしっかり、目的意識はっきり動いてた、それがない。相手の顔が見えてないのか。山形は順位はビリ2だが最近起用された選手がいい活躍もしてて、今日だってレギュラー2人(チーム内得点王・高橋健二と2番DF)が出場停止だけど、その分めちゃくちゃモチベーションあげてる選手が2人いるってこと(ネタ元:米沢の友達が毎週メールで教えてくれる「Monday DIO」っていうローカル番組。前のレッズ戦後だったか、「いまはーもう秋〜誰もいない海〜」なんて曲使ってきて、監督とキャプテンが並んで頭下げるなんてゆう恐い番組)。今日のこの事態は予測されたことだ。

61分、永井out福永in。盛大にコール。と、明らかに前目になったレッズ、ヤス起点にようやくチャンスも見え始める。ここでアンジーがペナルティエリア真ん中あたりで直接FKをゲット! キッカーはヤス。おおお願い。やり直しさせられたりしてちと不安だったけど、蹴り出されたボールは8枚の壁を越えてすっごいきれいな弧を描いてGKの背後に落ち、ゴール(72分)。ヤス!ヤスのゴール!!!
歓声の中、いっきなり体勢変わったレッズ。バランスよく、パスは通り、まるで何事もなかったかのようだ(爆)。応援の声も急に大きく感じたのは、それまで少しづつ落ちてたのか。山形、さすが寒さには強いようだが、こっからは違うぜ!
でも、決めるトコまでいかないレッズ。CKでも決められない。クロスから流して西野が、ピクンが、ヤマが、アンジーが、シュートを打てない。うぉー絶好のチャンス!そのまま打ってよヤス! 打たないでパス。
サイドからドリブルでチャンス……岡野かと思ったらアンジー? 左から右からサイドをついてくるアンジーにちょっと驚き。ポストプレーよりこういうのが好きなのか。まるで阿部ちゃんのかわりも務めようかという勢いのイチ、もっと落ち着いて。
右から左から速攻の山形。絶命的なピンチがポストに助けられた音、跳ね返ったボールに寄せられないレッズ、フリーの山形のシュート、バーを大きく越えてセーフ。運はある。が、焦るレッズ。ここまで流し気味にきた審判、アジエルに、イチにイエロー。落ち着いて集中してワンチャンスを決めようよ! ロスタイム直前のチャンス、俊也がいい位置からヘッド!? ボールはバーを越え、声もでない悔しさ。勝ち点1ロスト。

長いスクラムの後、延長戦開始。エンドは後半と同じ。「前半で決める」レッズが押し気味。正樹のセンタリングに岡野が走りこみ行けるか!と思ったシュートは、うっと決まらず。延長前半も終わりかという頃、向こうのゴール前で大混戦。遠くメイン側のライン際でとられたボールがエリアに入り、でその後が全然わからない、洋平が届かないところにボールが飛び、かなり長い躊躇の後に山形サポの旗があがる。(後でTVでみたら、ヤマからボールをとった山形がクロス、シュート、それを西野がクリアしそこねたボールが西部にあたり、それを詰めてた堀井が頭で押しこんだ、ってことだった。西側のひとにはどう見えたんだろう?)。
……。
厳しくなっちゃったよ。
ピクンがさっさと上がろうとして、何人かもそれに続こうとする。あ、そうだよね、挨拶なんてしないよね、してらんないよね、いいよそれより次のために練習ーっ!とまで思った。誰かがとめ、それでもやっぱり帰るピクン。フラビオが出てきてピクンとともに選手たちのとこに入る。よろよろと西側に向かう選手たち。この姿を見るのがほんとうに辛い。そして東側へやってくる。ブーイングはなし。かすかな拍手。鳥栖や新潟のときみたいに崩壊したわけじゃない、闘志がなかったわけじゃない。ここで無言で向き合うのヤだよ。精一杯の気持ちで「次は勝とうね!」と叫んだ。

選手が去ってから左手のほうで「福田コール」が起きた。
雨がじっとり染み込んだダンマク片付けてると、向かいのメインスタンドでペットボトルを投げ込んだ男が警察に連行されたとあたりの会話(翌日のスポーツ紙にも載っていた)。そういうのじゃなくて。
試合中どうしても鼓舞したくて出た「ウォリアー」。いいペースのうちに決勝点がほしくて全力投入した「大脱走」。数多くの、「今、届けたい」から叫んだ選手コール。次はもっともっと出さなくちゃ。もっともっと気持ち、届かせなくちゃ。

2位 浦和レッズ 勝ち点72 得失差+38 総得点77
3位 大分トリニータ 勝ち点71 得失差+36 総得点72
残りは4試合、次はアウェー水戸戦。
観衆:14,596人
(雨の中、好カードでもないのに入ってる、なんて記事もみかけたけど、ホント、入ってない。シーズンチケット持ってる人、行こうよ、さあ!)

公式記録:ここ
試合結果:公式HPのここ
試合経過:公式HPのここ
浦和の各商店会が独自に掲げていた応援旗が、今ひとつに
「WE SUPPORT REDS」
この時期に各商店会が団結して旗を一新
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