沈黙は金/雄弁は銀

「ひょっとして未来?」みたいな〜


 惜しまれつつも年内終了、の『魔法騎
士レイアース』。そのヒロイン3人娘
(光・海・風)のうち、光は女性ファンの
絶大な支持を集め、男性軍の98%は海ち
ゃんを熱愛、とゆーコトだがしか〜し! 
「風ちゃん(ふっくらおっとりメガネっ
娘)が大好き〜」とゆーアナタの感性は
5年先へ行っちゃってる、みたいな〜。
そんなアナタへのXマスギフトは、お口
アングリの超絶みにまる大会!(ちなみ
にウチは光です、ゴメン…)

 さてアシッド音楽に未来ってあんの?
つーことで前号、可能性の芽を求め、フ
ツー健常者の聞かないような変テコ酸楽
を漁色。例のぶちゅりる〜とやかましい
ヤツが多かった中で、日ましに心に迫っ
てきたのがデトロイトのテレンス・ディ
クスン。
 彼の音楽は「ヘンで孤独な青年(推定)
が、自分だけのために作ったディスコ」。
前号紹介のユーテンシル(彼自身のレー
ベル Utensil。日用品の意)5番は、無
表情なバカの顔がヌ〜ッと迫って来るよー
な恐怖盤だったが、それでも「作品」ら
しいとこがあった。追って入手の6番
『ヒップのてぃっく・カルチャー』はさ
らに断固たる内容で、機械室から洩れて
くるキチキチ・ブゥーンというマシンの
うなり、バカな子供が塀ごしに想像する
巨大コンビナートの内部構造…あるいは
4つ打ちキックに乗せて、トーフ屋のラ
ッパがピープー、それだけ。みたいな〜
(「こずみっく京城」に対抗して?「コ
ズミックどりる」とゆー曲も収録)。だ
いいち爽やかな水色クリア盤とゆー体裁
も、内容に反して不気味っ。
 毎週『エヴァンゲリオン』の予告編で、
ミサトねーさんが唐突に「次回も大サー
ビスよぉ〜ん」と言うのでビックリす
るが(「ご奉仕」って、アレのこと?)、
ディクスンの作品も、非常識な変人によ
るせ〜一杯の「大サービス」なのかも知
れない。このイカレきった音もまた「フ
ァンク」のヱキスの抽出結果(お芸術で
はございません)であり、「抜き」の発
想がある分だけ、ぐちゃら〜と騒音を詰
め込んだ欧州変態酸より、はるかにテク
ノの本質をつかんでいる…というリクツ
は別にしても、この心細くて力強い音は
心に響く。
 この「ディクスン体験」の後、ハズレ
かと思っていた何枚かの盤が、まったく
違う響きで聞こえてきた。18号で紹介、
モノジャンクのDUM17番。後半はとも
かく前半の、重いキックが時を刻むのに
合わせ、冬眠しかけたコオロギがコロ、
コロと鳴いては止むようなハキ違えた抒
情。同16番のクーパーズ(ダサい芸名)
は多少音楽っぽいが、迫力ともインテリ
性とも無縁な地点で言いえない感情をピ
コポコと表現(モノジャンクによるリミ
ックスを併録)。これらのかぼそい響き
がどこか強さを感じさせるのは、彼らが
自覚的に貧困で武装しているからだ。弱
さを強さに転化しえずして、何の「民衆
的音楽(ポップ)」だろう。これらの音
楽が未来的なのか次の主流なのか、アタ
イらは知らない。しかし、テクノの王道
は常に「みにまる」。
 …で、直接的には何の関係もないので
すが、今月のでじびは誌面のアチコチに
「特撰・宇宙ネタ」を配置。テクノ界に
少なくないとされる「宇宙マニヤ」の皆
さまに大サービスしちゃうわ〜んとゆー
趣向。まずは左図の超銘盤からどーぞ!

  (3k, gif)
「extra activity vehicular」
 out of orbit 0006
 ACV傘下レーベルから、超みにまる
 +ちょっぴりお花(図は部分)。
 曲名代わりの波形表示が異様〜

  (31k, jpg)
 O.S.T.「宇宙戦艦ヤマト」
 コロンビア/CS-7033
 私が「生活担当の森雪」
 でーす(ウソ)。宇宙音・
 爆発音と感動の名セリフ!


動画特報:なぜか一部で「飛べ!イサミ」(NHK教育・土曜18時)の評価が高い。うーむ 、今度チェックしよ
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