「ふくよか」なキミが好きさッ

+8一家〜記号的身体論の彼方へ


 総力結集の激酸大会、隣ページの古ネ
タ(&尻切れトンボ)に代わってこちら
は、近ごろ逆風吹きすさぶ+8特集〜(イヤ
がらせに非ず)!
        
●巨乳と巨匠
 日曜の午前9時からCX系で、得体の
知れない波動を放つ『空想科学世界・ガ
リバーボーイ』とゆーアニメが気になる。
いちおーアラ筋を紹介すると、『世界の
破滅を目論む魔女(?)ハレルヤを倒すた
め、特殊兵器「マインダー」を身につけ
たガリバー少年たちが闘う』と平凡だが、
見所はなンたってヒロインの「巨乳」。
意味もなくデカい。思えば『ルパン3世』
の「峰不二子」ネェ様の巨乳には必然性
があった。しかしどっちかつーと「けな
げ」で、お色気満点とは言えないこのヒ
ロイン「ミスティ」の巨乳は何の意?
 さらに番組中盤から唐突に、ミスティ
の「戦士型への変身」というオプション
が登場。その変身シーンがまたすさまじ
く(おなじみ、ハダカになっての着せか
え場面)、コレ見て赤面しない人の神経
は怪しい。特に、わざわざ自分でハイソ
ックスをたくし上げる場面! 口の悪い
カタキ役キャラが、アタイら試聴者の気
持ちをチャンと代弁。「このデカ乳女! 
その恥ずかしい『変身』!」…。こんな
番組を誰サマが作っているのか、とクレ
ヂットを見れば、意外にも巨匠・芦田豊
雄センセだって。
        
●巨乳になりたぁい
 さて、巨乳といえば当然リッチー・ホー
ティン(14)の出番。ナゼじゃ?とお思い
でしょーが、あの澄ました顔に「大きい
のが好きっ!」と書いてある。それにロ
〜ズ・オブ・アシッド'92年の奇作『巨乳
になりたい』をリミックスしてる(図)
もんね〜。この盤での14は最近の「ご挨
拶」的リミックスと違い、アルバイトと
いうにはあまりに気合いの入った3トラ
ック。特に最後の「ディスト〜ション」
ミックスは、同時期の超傑作「trac-x」
(Probe/PRO 9)以上か?とさえ思わせる
激烈ハード。歪みだけではなく、生きて
いるリズム(プラ男「スパスティック」
と同じ)。この時期14は、ダブもノイヅも
ヰケヰケの美学もとっくに乗り越えて、
わがテクノの地平を大きく前進させてい
たのだッ。

●貧困の哲学
 初期+8とプローブのオムニバス、それ
にFUSEのアルバムはいまだにウチの
愛聴盤。何がイイって、音数が超少ない!
カンジンな要素だけでできている。これ
がテクノ。表面的迫力の追求は、ロック
への逆行と通俗化を促すだけ。
針をブスッ
 最近みょ〜に批判されがちな14。ハー
ド兄弟名義「ハードファンク」が駄作だ
った(やたら音が厚いだけ。リズムが鈍)
からかどーか知らないが、彼の創造性に
ついては、近く出るハズのFUSEアル
バム第2弾が届いてから判断。では+8一
家の近況いかに?と最新盤をご紹介〜。
まずは葡萄酒色が美しいカラー盤、J.
ホッジによる『ボーン・アンダー(後略)』
(+8053)は…しまったァ! ウェザーリ
ポート(フュージョン)が大好きな方に
推薦、ウチには用ナシです。本誌には傘
下プローブ(探針)の方が体質合ってる
みたいで、こっちは25・26・27番とハズ
レなし。まず25番『QIX』は、かなり
人を喰ったコミカル酸。L.A.ティムの
強力な対抗馬? 26番C.サッチンガーは、
前号で絶賛コム13番の作者と同じ人(多
分)。彼の電子感覚はホントにキテる
(狂)、も〜少し情感があれば完ペキ! 
最後の27番『可変周波数技術者』(図)
は、女流(?)キャシー・タッカー作。旋
律も麗しき冒頭曲は、ぬわンと初期ニュ
〜マンのインスト風! ネェちゃん話せ
るぜッ! 以下、デトロイトっぽい華やか
+温かみある好盤で思わずほっこり 
イケるぅ〜。

  (29k, jpg)
 「Variable Frequency Technician」
 Probe/Pro 27 作家のC・アッカー
 と名前が似てる

  (14k, jpg)
 Lords of Acid「I Must 
 Increase My Bust」Caroline 
 2525-0 ハウス界の異端児・ロ〜ズ!

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