シカゴから紐育へ

「闇の血脈」


 突然の暴言でスマンが、ずばりハウス
の「骨」はシカゴ! ハウスからシカゴ
(=アンダーグラウンド)を抜いたら、残
りはゼイ肉だけ。シカゴからNYへ移っ
たDJピエ〜ルさえ、「霊感の源泉はす
べてシカゴから」と発言。NYハードハ
ウス(バスケス、A・バン=ヘルデン、J・
ウィンク等)が多少面白いのは、それら
が多少はシカゴに似ているからだ。

 この事実に自覚的らしいのが、NYの
一方の雄DJデューク。シカゴ&NYの
連帯を示すため(?)、彼の「パワー/セッ
クス」一家からシカゴ関係盤を連発してい
るが…しかし傑作といわれるロイ・デー
ビスJr.のアルバム(POWER・MUCD-005)は、
中途ハンパな仕上がりで不満。この系列
でイケるのは、マーク・ザ・909キング(彼
の作品は、リミックス以外すべて大推薦!)
だけかァ?と思ってた。

 (13k, jpg)

 L.A.Williams「The Project EP」SEXTRAX/ST-009
 「世界戦争でウッフ〜ン」とゆー語りが、余りに意味不明

 しかし最近、投げ売りセールで入手し
たLAウィリアムス『ざ・プロジェクト』
(図)、同『息切れ』(POWER・PMD-005)、ネ
イト・ウィリアムスのレイテッドX3番、
などの「パワー/セックス」作品群は、
かなり立派でドキッ。特にLAの2枚は、
変態パワー満タンの高電圧アシッドハウ
スでこりゃ〜すげい!(…が、追って正
価で購入した彼の『プロジェクト2』
(SEXTRAX・ST-014)は、「ジャックよあバデ〜」
と懐しのセリフを連発するイキな盤だが、
前記2枚に比べたらイマイチ…)。ネイ
トの2枚組も、CD面はかなりの怪電波
でグレ〜ト。AB面はちょっとズサンだ
が、この人には個有のスタイルがある。
だから今後に期待。

 ところで909キングの悠玄な弦楽+アシ
ッドとゆー作風は、初期シカゴの才人バ
〜ゴを思い出させる。バ〜ゴ(処女宮!)
は、M・ジェファーソンのハウス賛歌「む
〜ぶヨアばで」の作曲者。また'89年の
『VIRGO 4』(TRAX・TX175)は、ロキシーの
「アバロン」風からハードやアシッドと、
4曲バラバラな曲調ですべて名曲!とゆー
『鬼太郎』の妖怪アンテナがピ〜ンと立
つよーな怪し盤。で、同様にLAウィリ
アムスの暗く異常な作風は、シカゴの奇
人バムバム(図参照。最近ベスト盤
((Tresor 30))も出た)を思わせる。ピッ
チを下げた変態声とか、モロそれ風(意外
と、正体は本人だったりして…)。が、似て
ると言っても、彼らは単に過去の名作を
流用しているのではない。ルーツに深く
学び、そこから自力で「今の音」を紡ぎ出
しているのだ。だから、ぐぅ。

 (40k, jpg)

 BAMBAM「Where's Your Child?」Desire/WANTX 7
 アクの強さはシカゴで一番。アブナいですぅ〜

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