レイブワークス

未来を拓く「工場労働」


 「世界アシッド紀行」特別編は、何かと
話題?のレイブワークス。市中で盤は見
かけるのに、いったい誰が買ってるの?

 デジビ前号での呼びかけに応じてくれ
たのは、「影の編集長」ことFくんだけ(う
うっ感激…)。こーなりゃデジビが味方
するっ!

 さてレイブワークス(LW)は本拠地独
逸のマインツ市、英国に支社アリ。その
営業方針は、要するにアシッド。とにか
くアシッド。そしてワリと速め、ほとん
どミニマル、なるべくハード…と、非常に
わかりやすい。しかしトランス系やフォ
ースインクのような俗気に乏しく、ナイ
ーブでガンコが身上。ココんちの社長ホ
ーシィ氏はヘックマンのマブダチ、しか
も「独逸シ〜ンなんて商業的なクソばっ
か!」と語る硬骨漢。彼の自身のユニッ
ト「ナ〜バス・プロジェクト」(UNDLAB 019
等)の方向性がLWを体現。つまり、ガン
コ者が「イヤだ!」と思うよーな通俗味
をすべて取っぱらった単色アシッド。

 (28k, jpg)

「DIRECTIONAL FORCE」LABWORKS GERMANY/LAB22
手元のLW盤で、一番古いのがこのデブクラ。でも駄作…

 誰もがそうであるように、LW一家も
シカゴアシッドと独逸シンセ実験モノの
影響から出発。3年ほど前の旧盤(LAB27)
では、アシッド+メロトロン風フルート、
弦、そしてバイオリンとゆー初期クリムゾ
ン(プログレねっ)テクノが感動的。しか
し、歴史を下るごとに情緒性に乏しくなり、
最近のベスト盤『ハードテクノ傑作集2』
(DBMUNDLABCD024)『ハードトランス傑作
集2』(UNDLABCD025。この両者、傾向の
違いは別にナシ。ところでココんちのC
Dは音がセコいので、できればアナログ
で)でもわかるように、とことんハード
で抽象的。しかもいろんな人がやってい
るのに、みごと雰囲気が統一。ひたすら
心地よい(ウルサいだけ、とゆー見方も?)
その響きは、退廃と禁欲主義の間を激し
く往復し続ける。

 (14k, jpg)

「ROLAND CASPER」LORIZ/LO12-005  最優秀?LW卒業生
カスパー。B面はもろアッチの世界、エゴ丸出し!すげ〜!

 さて、おなじみのウッディ(4D、Pleasure
名義)とフレディ(Nitrate名義)も、'94年
まではココから出していた。古くはデブ
クラ、そしてリ・ロードで活躍のアシッド・
カークとS・フェリックも、ココんちの
卒業生。去年までLWの主力だったエリ
ンやC・ジャストは、最近パルジンガー
のチープから登場。するとLWは、アシ
ッド戦士の「虎の穴」。みんなココで鍛
えて、新しい世界へと飛び出した。

 最近新作が少ないLWは、既に盛りを
過ぎたレーベルかも。しかし今後アシッ
ドという方法が生き残るとすれば、きっ
とLW卒業生の力によって、だ。工場の
日々は終わらない。

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