山田康雄さん追悼・今週のびっくりどっきりアニメ大会

そ〜れ、ポチっとなっ


◆鬼神童子ゼンキ(TX・月曜18時)
 悪の妖怪軍団を倒すため、超ミニの巫
女さんが使い魔「ゼンキ」を操って闘う
とゆー伝奇モノ。特筆すべきは、妖怪ど
もの悪の手口が、必ず「男の煩悩」(GF
が欲しいとか、パンチラ写真が撮りたい
とか)につけこんでくるという点だ。ん
ー、痛いほど真実味がある。で、妖怪の
ゼンキは、自分がメシと昼寝にしか興味
がないからって「ふん、人間ってダセ〜」
と呟くワケだ。ちなみに劇伴は、平沢演
歌風のシンセものでっす。

◆とんでぶーりん(TBS・土曜18時)
 何の因果かピチピチギャルが、メスブ
タ「ぶーりん」に変身して悪に立ち向か
う猟奇巨編。この設定には過剰なダイエ
ットブームに反対、とゆー作者のメッセ
ージが込められているよーだが、こっち
の方がよっぽど過剰だ。とにかくギャル
↓ブタの変身シーンがとてもイヤらしく
エグいので、マニア(何の?)は必見。

◆銀河戦国群雄伝ライ(TX・金曜18時30分)
 古代中国系の人たちが、大宇宙を舞台
に刀やヤリを振り回すとゆー、てんでワ
ケのわからない時代劇SF。大時代な芝
居に合わせ、テーマ曲も交響楽+男声合
唱が「野望」「情熱」「下克上」等の単語を
まき散らす。ここまでダサいと逆に希少
価値(苦笑価値?)なので、一回くらい
は録画しておこう。後でDJネタやサン
プリングに使えるかも。登場するオテン
バなお姫様(なぜか関西弁)が、「ダ〜
リン〜」と懐しいフレーズで泣かせてく
れるのが救い。ひっく。

◆赤ずきんチャチャ(TX・金曜18時)
 かつて青年たちが'70年安保闘争
に完敗し、偽装の平和が世をおおった時
代。民衆の共感を呼んだのは、かの『タ
イムボカン』シリーズに登場の悪人トリ
オだ。「別に正義じゃなくてもイイじゃ
〜ん」と本能に忠実な彼らの存在自体が、
虚偽思想にもとづく冷戦体制への痛烈な
批判だった。それに何度負けても必ず再
起する彼らの不可解な元気さが、すべて
の青年たちの心の支えだったのだ。
 そして現在。赤ずきんの少女チャチャ
たちは、もっと悪い状況の中で闘ってい
る。往古の「魔女っ子」たちとは違い、彼
女において魔法とは、娯楽や消費ではな
く、生存のために必要な技能(わたした
ちにとって、電子技術がそうであるよう
に)。そして「わたし負けないっ!」と
叫ぶチャチャの美しさ。わたしたちもま
た、生存の危機にまで追いつめられなけ
れば、生き抜く自分たちの絶対的な正し
さ・美しさに気づくことができなかった。
愛や勇気や希望を、真剣に必要なものと
して希求することができなかった。もは
や「また負けた〜」と遊んでいる余裕は
ない。わたしやあなたが敗れたら、後は
ズルい連中がはびこるだけだ。つらい時
には泣いてもいい。しかし絶対に、負け
てはいけないのだ。

◆マクロス7(TBS・日曜午前11時)
 昔もそうだったが、このシリーズには
オタク好みのヘンなスマートさがあり、
そこがかえってハナにつく。アニメとテ
クノには不可欠な「可愛げあるバカっぽ
さ」が足りない。そのわりに内容は「熱
気バサラ」を名乗るバカ丸出しの主人公
が、クソうるせ〜ロックをがなりながら
旧弊な巨大ロボットで闘う、とゆー大愚
作。
 
 さて3月19日、コレを見た後、原宿ホコ
天で開催の「ハッピープロムナード」な
るテクノ会へ。代々木公園を横切り現地
に近づくと、うるっせ〜ロックの洪水が。
中でもヤケに大きな歌声はバサラ君の唄
そっくりで、ああ…。でも、原宿名物の
R&Rアニキたち(皮ジャン+リーゼン
ト)はマジでイカしてる。世間の流行と
は関係なく、自ら信じるカッコ良さを追
求するその雄姿。…ステキっ。

(15k, jpg)

赤い頭巾は弱さ・はかなさの象徴。が、彼女はその弱さを
こそ強さに転化する。ところで番組の模様がえのため(?)
最近チャチャグッズは妙にレア化。今の内にゲットしよ〜!


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