ミゾの流れに身を占って


「'94年は地味だったデトロイト」とか平気で書くヒトいるけど、あんたらバチが当たるゾ。昨年はラーキンの素晴らしいアルバムを皮切りにホワン、ミルズ、ロバート・ノイズ(本名R・フッド)、カール・クレイグ、Kハンド、T-1000、いくらでもあったでしょ〜が。そしてもちろんUR一家。デジビが一貫して「勝手に共闘」し続けるマッドマイクの活動の意味を、今さら説く必要はないよね。でも、UR最新作『ダークエナジー』(UR029)を聞くと(2枚組の半分は「サバーバン・ナイト」「ドレキシャ」で知られるジェームズ・ペニンストンの作品)、んー、少しカラ廻りしている感じはあるな。頂点を究めた者の孤独なのか、米国のシーンがあまりに無理解だからか? テクノって本来、絶望をのりこえるための音楽(逆にいうと、絶望と断念の味を知らない人間にはテクノはわからないし、作れない)なんだけど…。

 ところで下北沢X店の中古コーナーで、URとハードワックス(R・フッドのレーベル)の初期名作群を発見。しかもオ〜ル百円! 「やれ嬉しや」と7枚買って帰ったら、うわっ、ほとんどの盤にカビが。こ〜なりゃ壁飾りか?とも思ったが、流しでゴシゴシ洗いましたとも。そして台所のお皿立てで乾燥。これでやっと…と思ったら、ぬぁんと初期URにあった逆ミゾ盤(内側から外側へ針が走る)は、編集部のボロプレーヤでは再生不可能と判明。コレじゃ「お買い得」だったのかどーか…。でもビジョン(R・フッド名義での最新アルバムも大好評)の左図作品は超スゴ(B面しか聞けないけど)。今じゃハードワックスなんてめったに買えないハズなので、マニアは思いっきり羨やんでネ。自慢じゃないけどデジビだって、アクシス9・10番を買い損なってるんだぞ〜!

(8k, gif)

   「THE VISION」
   HARDWAX/HW-007
'93年頃の作品? だが
「ミルズの最新作です」
と言っても通るほどの
ゴリ強〜烈アシッド!


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