札幌から世界制覇を目指すダブレックス。 収録曲中、FAT FAT BOYSのハードアシッド「TB FAKKAH」は、 北の暮しの厳しさを感じさせて余りある名作
さてこちら東京、前号でも触れたハイパーリッチのオムニバス第2弾『デカメロン電設』は2月18日発売(当日記念ライブあり)。荒削りでガキっぽくアナーキーな彼らのテクノは、最近ツブ揃いの和モノ一般とはまるで比較にならない。が、それは東京のストリートからまっすぐに立ち上がってきたものだ。そして彼ら個々の力量と可能性がこの1枚だけでわかるハズもないが、冒頭の1曲・あふれる思いのすべてを叩き込んだMK2(大浦祐一)「ASK ME」だけのためにでも、この盤は推薦できる。
12月23日・四谷P3「アンノウンMIX特別版」会場の隅で レーダー作戦ゲーム(?)に興じるユタ・カワサキと オータケ。彼らのテープ作品を買ったはイイが、わからん…
さて、なぜか最近打ち込み関係に力が入る新宿ヘッドパワー。新春1月10日のライブは「アブノーマルビレッジ」から。「ホンジャマカ」みたいな2人組で名前も超ヘンだが、わりとイイ音だったので今後楽しみ。
続く「きれいなコウモリ」は、珍しくも手弾きバリバリのピコピコ2人組。曲の展開に合わせて編集されたビデオ(CMとかアニメとか)も見所だが、後半はYMOと自分たちのライブ映像をマゼマゼとゆー暴挙。
そしてDATゾイドの吉田比糸、この夜は「コントロールラブ」として出演。彼の音楽には、10年間ず〜っと毎晩「ジェットストリーム」を聞いてきた人間が急にテクノを始めたかのような、フシギな味わいが。演奏は良かったのだが、曲間モタモタとDATを操作する間の悪さは…。
この晩最後のキュープラスは「'94年のテクノをオレが総括!」と、昨年流行のトランス&アシッドを意識的に導入の特別公演。しかも、そこまで言うだけの価値は十分にある名演だった! 平川のビビッドなトラックにDJ成田の猛烈なスクラッチが激突、律動と混沌がせめぎ合い、そして平川独特の懐かしげなメロディが、いつになく陰影を伴って切迫。コドモとオトナが争う少年の心の世界を、そのままに映し出して。
たかがテクノに平気で命をかける キュープラスの平川毅(左。右は DJ成田)。まるで「キャプ翼」である
追って1月18日同所、元909キックの田中賢一が「サンプル・ケン」として初公演(おしらせページの写真 : 20k)。テクノ界のルパン3世を目指す彼の方法は、「他人の作品を勝手にリミックス」。前半アシッド大会はかなりキテたので、今年期待のホープに認定〜!
Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >