外すとふうっと夜の静寂が音になって聞こえてくる。コンピュータのファンの音、近づき去って行く闇夜のバイク。スズキスキの音楽はここに潜んでいる。誰かが部屋で聞いている音。ささやき。
SUZUKISKI 「BIG TOMORROW」 DMCD-1027 よその部屋で勝手に寛ぐ感じの第2作
だからかどうか、彼の作品は大きい音でかけてもちっとも良くない。聞こうとすると聞こえてくる、ささやかな音量でこそ心にしみとおる。そんな魅力は稀有のものだ。逆に、デイブ・エンジェルの新EP(BLUNTED VINYL・BLNCD 10)などは、小さな音では耳になじみの凡庸な印象なのに、部屋全体を鳴らすとガラリ、色彩が溢れ出す。同じレコードもいろいろに聴いてみなくちゃ、ね。
Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >