本誌読者のSさん(匿名希望)が独逸へ旅行すると聞いて、すかさず「特派員に任命!」と指令を飛ばしたチャッカリさんのデジビ。期待通り素晴らしいレポートが届いたので、さっそくご紹介しま〜す。
8月20日に成田を出発、そしてミュンヘンからフランクフルト、デュッセルドルフを経由してベルリンへ、6日間の旅。そこでSさんが痛感したのは、独逸テクノはその独特の状況に根ざしたものだということ。
テクノ丸出しのミュンヘン空港やバウハウス建築群。周囲は森や畑ばっかなのに、なぜかクラフトワークがピッタリの鉄道や道路。浪漫街道の街並みはそのまんまA・ドーラウの世界だし、ベルリンの陰欝や屈折はH・ヒラー。そして民衆の技術熱たるや、街の貸レコード屋にもタンジェリン等のシンセ物がズラ〜っと並んでいるほど。なるほどぉ…。
そしてこの独逸紀行の頂点は、アタタック事務所でのピロレータとの会見。羨しいから、あんまり詳しく書きません。写真を参照のことね。
贈物のCDを手にして、可憐なテクノ少女に ググッと迫るピロやん(太り気味)。 どうでもイイけど後ろの絵がスゴい…。
そしてSさんのベルリン土産、下図のフリーマガジンがスゴ過ぎる! くだらない誌名、クソ悪趣味な写真やデザインはいかにも独逸だが、A4判80ページにビッシリと小さい字でテクノ、レイブ、ダンス! インタビューやレーベル紹介はもちろん、独逸語圏各地のシーンの克明な報告、レイブやパーティの告知や新譜の広告、読者の売買コーナー、そして50人ものDJのベスト10、百枚にも及ぶレコ評(なぜかここでもシカゴやジャックスの評価が高く、トランス系には意外とキビしい)。さらにペプシ提供の別冊があり、こっちは独逸のDJ、レーベル(大小177も!)、ライブ奏者の名鑑。勉強になるというより、も〜あっけ…。要するに独逸では、デリックとリミックスとラウドを合わせたような雑誌が、毎月タダで配られているのだ。このシーンのデカさと熱気、スベン親父がヤケにエバッてる理由がよ〜くわかった。これだけの広がりが、日本のシーンにもあればなぁ…。おっと、羨んでばかりではいけないぞっ!
「FRONTPAGE」1994年9月号 うっとーしー表紙なので、ワザと寝か せています。間違いにあらず。
Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >