耽美の乱れは心の乱れ


 日の丸テクノ、まずは新レーベルトリップトラップのオムニバス第1弾『ディメンジ ョン1』(TTCD-001)。参加アーチストはみな活動歴が長く、すでに海外でEPをリリー スしていたりの頼れるアニキたち。それだけにアシッドをやってもどこか健康的で、聞 いていると「朝5時に起床して稽古している剣道部員の兄を、そっと見つめる中学生の 妹」みたいな気分。お花系のM10が特に好き。アニキ、頼りにしてるぜっ。

 一方こちらは、ほっとくと夕方まで寝ていそうなダラシない弟たち。まずは先月紹介 しそこねたDATゾイドだが、このユニットの正体は吉田比糸、その作風はデアプラン とプロディジーとアシッドをムリヤリ合体させつつ、そこにファミコンとアニメと東映 ヒーローのエキスをブチまけるとゆー「お花ハードコア」。悪趣味を超え、しまいには訳のわからぬ感動が。彼はテクノと演芸を同一次元にとらえ、打ち込みよりもコントの練習やステージセットの制作に熱心らしい。先日のライブでは寸劇「魂のトランペット」を披露したが、小道具の玩具はトロンボーン。「それ違う」と、少女ファンにたしなめられていた。現在は相棒(元・電卓、現テレスコーピオンの岩崎くん。彼らの作品はサンレコ誌上で卓Qに激賞され、CDにもなる予定。しかし編集部の人に「もっとマシな音質のマスターをくれ」と言われたとか)と、12月17日下北沢屋根裏での「ハイパーリッチ・パルス6」に備えて特訓中。

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DATゾイドのビデオより、TX系「銀ブラ天国」
に出演した「吉田ヒート」。この後何をした
のやら、誰も番組を見てなかったので不明。

 ところで、本誌7号で紹介のキューベースが解散。原因はメンバー2人の耽美関係のもつれ、らしい。そして一方の平川毅が「キュープラス」という名前で早くも再起ライブ(11月13日・新宿ヘッドパワー、裏表紙の写真)。ターンテーブルでサポートする成田光三郎とのイキもピッタリで、早くも快感度はかなり。本領発揮はま〜だこれから、と思うけれど、以前のイロ物っぽさを卒業して美少年度もアップ。彼も「パルス6」に出演、素敵な夜が訪れそうな気がする。


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