これが「音楽」だ、と言っとろーが!


 そーですこれが音楽です。ついに登場プラスチックマンの新作は、こともあろうに題名が『ミューヂック』。でも「music」ではなく、「musik」であることに注意せよ。そのわずかな差異の間に、ホーティンは自分のすべてをかけているのだ。

 実はプラスチックマンを「アシッド」とは呼びたくない。なぜならアシッドハウス本来の持ち味は往復運動の快感だが、ホーティンの音楽は一直線に突き進む。反復しても、逆戻りしない。そして走り続けたあげく、思いもよらない場所で人を放り出す。そしてものスゴいテンションをはらんだこの作品を、初期PILと関連づけてみてもいい。ロックは死んだ、しかしポップは生きている、ここに。30年後の人々は、これを聞いて「昔の曲って単純だけどイイなあ」と言うだろう。その日のためにも、われら人類は滅亡すべきでない。

(33k, gif)

PLASTIKMAN「MUSIK」
NOVAMUTE/NOMU37CD
1月に来日が決定して、急に親日家に
なったプラ吉くん。日の丸バックにハイポーズ。


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