マンネリなんかは、何のその

わがままシカゴの暴虐美〜


 最新シカゴトラックで目立つのは「無
理スジの反復」という現象。イイ加減に
録ったフレーズ標本を適当にシーケンス、
そこへ無理ヤリな打ち込みを挿入美、聞
きながらサラッと編集して「へへっク〜
ルだぜ!」なーんて制作風景が目に浮か
ぶ。そしてこのイージーな態度(推定)
が、結果的には非常に高級(&難解?)な
リズムの生産となってしまうからマカ不
思議。DJラッシュ最新盤(Force Inc/
FIM 097)などもシカゴ処女/童貞にはサ
ッパリつかめなそーな音楽だが、「キック
は絶対に拍頭美!」と憶えてゐればノレ
る(かも)。
 こーゆームリは今に始まったコトぢゃ
なく、昨年初めのDMあたりでも、異常
な地点にアクセントきてるよーな作品あ
りき。たぶんメチャクチャな手弾きで打
ち込んで、ワケも分からずデータ修正し
たらそーなったのではなゐか、と推理。
「でもさ、ク〜ルぢゃん?」…その通り。
 DMやRRの今日的シカゴトラックを、
「はうす界の異端/突然変異美」と見な
すのはマヌケな思想。初期TRAXやD
Jインタの'80年代から、シカゴ家はすっ
ごくヘンだった。ただ、そのミョ〜な部
分をさらにず〜むあっぷ拡大しているの
がDMやRR、とは言える。打ち込みの
手法とゆー問題もカランでいて、909特有
のノリが絶対!だった古典期に比べると、
安物サンプラー中心に作られる最近のト
ラックは、よりヘンテコな方向へ展開し
がち。ゆーなればそれこそ「進歩発展」だ。
 さて'94年以来のシカゴを振り返りつつ
つ特撰新作のご紹介、とイキたいのだが、
まず「ヒーロー変遷が激しいDM」とゆ
ー問題が引っかかる。アルマ〜ニ率いる
トラクスメン(P.ジョンソン、ドリュウ
スキ他)→J.ジェラルド+DJファンク
のペア→プレイグラウンド・プロ(ディ
ーオン、スラゴ&ミルトン)とゆー辺り
までは良かったが、'95年夏頃(百番台〜)
からはよく分からんリリースが多し。題
名を見ただけで「あ、あの下劣ネタの再
使用ね」とワカっちゃうよーなお皿では、
慾情するにもムリがある。でもやっぱ好
き。煮え切らないので先へ行こ、注目は
前述のよーな珍妙サンプル反復盤。自称・
最年少プロDJことガントマンの116番は、
初期タツノコ風アニメはうすのB1が
超きゅ〜と。レーベル面には「アルマン
ドやタイリー様に可愛がられてまーす」
とあり、羨まし〜かも。ハウズ・モンの
130番で特筆は、チップEの名曲「ラヰク・
ジス」(DJ Int/DJ 890)をパクッて驚異
的な単純さに還元したB3(この定番ネ
タの原曲は、「さーこのように、手を振
り脚を振って踊りましょ」とかゆーハウ
ス賛歌。だが大抵は、その一部分を「こ
のよーに・このよーにー」と意味不明に
反復)。バカみたゐだが絶賛!
 国内盤も発売されて波に乗るRRは、
最新フィッツパトリックの酸家756番とブ
〜ちゃん757番が共にグ〜。特にブ〜ちゃ
んは、前作738番よりもお花テクノ風味で
 あとウチ的に熱愛なのがジョヲ・ル
イスののんき電子家、RRからの3枚は
すべて優。RR社長のDJカジミヤが
「シカゴ正統派」と称するDJスプーキ
ーの735は、な〜るほどRRとDMの中間
的な音。なぜか失笑。
 そして見逃せないのが、老舗TRAX
の好調ぶり。'94年からのアルバム攻勢は
シカゴ+NY勢(ベルトラム、ストール、
ぼんず様)の共同戦線で、驚異の高電圧
をキ〜プ。特撰最新盤・第1弾もニャイス
だったJ.フィアスコ『アシッド洗浄2』
(TX 5039)は、前作のたんじゅん303+909
路線を超越しての再登場。いずれも曲が
短いのが難だが、でも「わーお!」

  (6k, jpg)

 TYREE「DA BUTT」UNDERGROUND/UN-149
 アングラ印の下劣盤。ココは酸家全盛期のDJ
 インタ傘下レーベルで、まだ活動中だったと
 は意外に強い




でじび的バレンタヰン:杉並区のMちゃんから、「カバヤ・ナースゑんヂェルチョコ(フ ィギュア付!)」のプレゼント 一生のお宝〜
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