「ヤツら」の手が、まだ触れないうちに


 なぜテクノを形容して<ジャズ>とか
ゆー連中がいる? 元々<ジャズ>なん
て南北戦争後のニューオリンズで、ヒマ
な黒人たちが南軍放出品のラッパやタイ
コを鳴らして街をねり歩いた、とかゆー
モノ。つまり、低級な「ストリート文
化」。すなわち今日シカゴの黒人たちが、
「サンプラー?オレにも買えるッ!」と
ばかり作りたおすバカ家に相当するよー
なモン(OK!)。それを、額ブチ入りの
<ジャヅ>とゆー名詞でテクノを高級め
かそーとは笑止千万。もういー加減、
「未来のジャヅ」だの「D.メイの秘蔵ッ
子」だのゆー下劣な形容は止せ!
 今月は「デトロイト大会」としてR.フ
ッドのチープ14番『深夜の世界』(B1の
中華テクノが名曲!)、S.パレン『サイ
レント・フェーズ』<Transmat/TMT1>
(リスにんぐ系を名乗るなら、せめてこ
のぐらいは作ってネ)など紹介したかった
が、ヤツらのせーで「コレが<ジャヅ>ぅ? 
きゃははッ」と笑いが止まらない…ダメ
だ。しか〜し特筆は、オクターブ・ワン
最新2枚組『シムボリック』(430West/4W-
255)。このまったくどーでも良さそーな
響きのミニマル家集こそ、待ったナシに
進行する<絶対的現在>の正確な記録。
傑作以上!


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