「おバカの宿命」を超えて


 この手の辺境モノは、とにかく必死で
作ってる感じがイイ。それに比べ本場の
ロ市軍団は、やや精神の緊張に欠けるの
では?

●バカ専! ブレイクビーツ系
 テクノ界でブレイクビーツと言えば、
ズバリおバカの代名詞。NYのレニー・
ディー(その後ガバに転向)やフランキ
ー・ボーンズのヒップホップ系テクノ
(?)をマネした英国人が、レゲエっぽ
さとバカ汁を加えて成立させたのがこの
分野(Hを自称)。その全盛期は'91年頃
で、代表的なレーベルはキッキン、ジャ
ンピン&パンピン(名前がバカ)、XLな
ど。H&ハッピ〜な曲を提供してきたこ
のシーンだが、'93年にプロディジーの
1st.という最高傑作を残してみごと失
速。同年のキッキンのベスト盤(INSTINCT
・KX-4103-2)も淋しいデキで、中でもベ
ルトラムの名曲をダサく盗作したM11は
最低。これじゃ〜テレ朝木曜17時30分、
『魔法陣グルグル』のテーマ曲(なんと、
イケイケテクノです)でも聞いてた方が、
よっぽどマシだぞ〜!
 その後のこの系列は、レゲエ寄りのジ
ャングルと、テクノ寄りのレイブ系に分
裂発展。バカ&元気だけが取柄の青年た
ちは、常にブレイクビーツ爆発!を求め
ているのだ。

 (20k, jpg)
「グルグル」の主人公、ククリちゃん。かっわい〜!

●無機質! ニュービート系
 隠れた打ち込み名産国・ベルギー。テ
レックス以来の伝統を'80年代はニュー
ビート(フロント242に代表されるハ〜
ドな電子舞踏音楽)が受け継ぎ、それが
アシッドハウスと結びついて、独特の無
機的なベルギーHとなった(T99風のイ
ケイケHも、今なお増産中)。あのR&
Sさえ、初期はHと呼ばれていたのだ。
 中でも盆栽マークのボンザイは、アシ
ッドハウスへの傾倒丸出しの可愛気ある
レーベルだった。そして、以前そこで活
躍していたアシッド・カークとシール・
フェリックの現在の拠点が、同国のリ・
ロード。デブクラとの交流で名を売った
同レーベルだが、その真価は非人情なベ
ルギーHの魂を受け継ぎつつ、アルマ〜
ニやミルズに学んでそれを発展させてい
ること。カークによる9401番のA3は、
永遠に続く地響きのような6/8拍子ア
シッドで前代未聞。フェリックの9416番
は、狂気爆発のミニマル爆弾で特選盤。
そして作者不明の図作品は、フェリック
同様の超ミニマル&レッド2似で、フロ
アは阿鼻叫喚。バカさには欠けるが、こ
ーゆーのだってHだと思うぞー!

 (20k, jpg)
「ACCCELERATOR EP」RE-LOAD/REL 9410  読者の
カッちゃんが教えてくれた銘盤。いつもど〜も〜!


Back to vol.14 Contents Next Page 「「フリルとレースの世界」を探る!」

Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >