電子で描いた、浪漫の詩集〜!


 独逸フォースインク(FI)はアシッド
を中心に、ほとんど同じメンツがジャン
グル/ハードコアもやればインテリ実験
モノにも手を出すとゆー、激しく無節操
なレーベル。しかしその無節操さこそ、
FIのポリシー。借り物でもいいからあ
らゆる方法で、テクノによる既製音楽シ
ステムの脱構築を加速しちゃおーという
スキゾ戦略ってワケ。うむむ〜。
 で、デジビが特に注目するのはFIの
知性派(…何それ?)部門ミルプラトー。
なぜかココだけは、借り物でも「実験」
でもない、真の意味での「スタイル」を
追求してるから。ココからの、ヘックマ
ン親父(彼の音色は、全テクノ界で最も
優れている。さすが年期の入ったシンセ
狂)とC・ボーゲルの傑作については既
報。続いてナゾの人・バイオチップCに
よる『RIC/ディスタンス』(MP・CD5)は、
アシッド+ゲーム音楽が深い空間から湧
き上がるような、静けさの中に力がせめ
ぎ合う心の世界。FFのフィールドの音
楽を連想させる哀愁の旋律。まるでRP
Gの終盤イベントをやりつくし、後は敵
ボスを倒すだけ、でも、もー終っちゃう
の〜?という時の気分。ちょっとピコポ
コもアリで、おトク〜。

 (10k, jpg)
G.E.N.「ROLLEIFLEX」MP CD10  入眠用にピッタリ。ピコポコ、スヤスヤ…  広域電子通信網(GEN)の『ローライ フレックス』(上図)は、ウォーカー(エ アリキッド所属)とカーン氏の合作。と りとめのないピコポコの持続に耳を傾け るうちに、自分の心の中を覗き込んでい るような気分にさせる好盤。某誌でクソ ミソにケナされていたが、その筆者はま ったくのテクノ音痴に違いない。別に大 傑作ではないけれど、アタイはこの作品 に巡り会えて良かったと思う。  ところでココんちの最初期のリリース が、アレク・エンパイアの初アルバム(MP・ LP2)。アブナくも爽やかな彼の音楽は、 まさに疾風怒濤の青春賛歌。ここで青春 とは単に若いとゆー意味でなく、自我の 目覚めとか倫理的な煩悶とかを満載のヤ バい時期ってこと。よく比較されるが、 実は若さに乏しいガキオヤジのジェーム ズ君とは、ま〜ったく方向性が違う(ア レクと同じ、ベルリン発のプリックスも 青春テクノ)。そんなアレクの最新アル バム(下図)は、さらに劇的に深化! グ チョ歪みブレイクビーツと808のポコポ コと浪漫の旋律が交錯しながら、若さゆ えの恍惚と不安/純粋さと破壊衝動をく っきりと描き出す。天才スピーディJを も蹴落として、今月のMVPに決定〜! (14k, jpg)
ALEC EMPIRE「GENERATION STAR WARS」MP CD11 大バカなジャケ&題名だが、なんと内容には無関係!


Back to vol.14 Contents Next Page 「リズムこそ生命/生命はリズム」

Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >