赤ずきんチャチャ・特別編

アナログ大魔王と対決!の巻


「うわーん。セラヴィー先生たちと、は
ぐれちゃったよぉ〜」
「チャチャさん、僕がついてますっ」
「ここは、何ていう街なんだー?」
「ふふ、子供たちよ…米国のテクノ中枢都
市・セントポ〜ルへよ〜こそ」
「わ、なんでぇこのおっちゃんは!」
「悪人ではないっ。世界的に有名な、セ
ントポ〜ルのアナログ大王フレディ・フ
レッシュ様を知らんのか!」
「なにを言ってるんでしょーね」
「行こーぜ。オレ、ハラへったし」
「ま、待て、子供たちよっ! ど〜せ行くア
テなどあるまい。ならば、このフレディ
様が世界に誇る、アナログ大宮殿で休ん
でいってはど〜だ?」
「リーヤ、しいねちゃん、どーしよ…」
「フレディ様特製のピザもあるぞっ」
「なにっ! オレ行く! わんわん!」
「ああ〜っ、バカ犬が勝手に」
「仕方ない。私たちも行くのよっ」


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右はフレディの傑作「モーグX
プロセス」。赤ん坊とガキの声が
入ってるが、彼の子供かな? 左は
EMF3番。B面「PTERODACTYL」の
オート・キネティックにも注目

「で、ここがアナログ大宮殿ですか?」
「ただの汚い部屋に見えるけどな〜」
「でも、シンセがいっぱいあって面白いわ
〜 ピ〜ピョロリ〜、ブブブ」
「こら、大事な銘機に勝手に触るなっ」
「これ、銘機なんですか?」
「ただのガラクタに見えるけどな〜」
「このモーグとアープを合体させて、ポ
リシンセに改造できないかしら?」
「わ〜っ! ガキども、私の逆鱗に触れて
くれたな〜! こ〜なったらアナログ5
番『モーグX』攻撃だっ!」
「おおっ、すさまじい電子音の嵐!」
「ガバみたくうるさいのに、キレイな旋
律や子供の声がお茶目だわっ!」
「やべえ、つい体が踊っちまう!」
「ふふ、さすがに恐れ入ったよ〜だの。さ
て私はアナログの他に、電気音楽財団(E
MF)なるレーベルをも運営してお〜る。
そのEMF2番の7インチ、オートKと
アナロジカル・マインドの合体攻撃はど
〜じゃっ!」
「うっ! キシキシ、ボロ自転車のきしり
みたいな音が入っていますっ」
「それに、ぜ〜んぜん意図のつかめないオ
〜ケストラヒット。スゴいわ!」
「続いてEMF3番。オート・キネティッ
クの翼竜+フレディ様のタランチュラ攻
撃で地獄へ落ちろ〜っ♪」
「チャチャ、こっちも何か出せよっ」
「え〜と、向こうは毒グモだから対抗して、
いでよコブラ! あれ?」
「キーコキーコ。チャチャさん、これはブ
ランコですっ」
「レイ・パーカーJr、ブラコン…」
「こっちもダサいけど、敵の毒グモ攻撃も
意外と迫力が足らんちゅら。単にヘン過
ぎて、コレじゃ踊れねえっ」
「さてはおじさん、テクノ道に迷いが生じ
てるんでしょ!」
「それに、たった2曲入り7インチが千円
もするんじゃ〜不経済です!」
「でも、コバルトブルーや水色のクリア盤
で、とってもキレイよっ!」
「スリーブの絵がキモチわり〜ぞ!」
「え〜い、ゴチャゴチャ言うなっ。最後は、
日本からの助っ人でトドメを刺してやる。
アナログ9番・この琥珀色のクリア盤が
貴様らの墓標だっ」
「うわっ、『WAX』でおなじみ、神戸の
山本さんのレコードですよっ」
「ガバ+アシッド+UR+イケイケみたい。
さすが『マクロス7』狂だわ!」
「でも、思ったほど速くねえぞっ」
「もうよしたまえ、フレディ!」
「や、誰かと思えば…隣町ミネアポリスの
DJ・ESPことウッディ!」
「こんな子供たち相手に大人げない」
「だってこいつらナマイキなんだぜ」
「それに、そろそろピザ屋でバイトの時間
だろ? 遅刻してもイイのか?」
「やべ、店長に叱られる! ピュ〜ッ」
「こらチョビ髭オヤジ! ピザ食わせる約
束はどーした〜! わんわん!」
「あとで店に来いよォ〜っと」
「ハハハ、あー見えてもフレディは、約
束は必ず守るから」
「お兄ちゃんも、テクノの人なの?」
「そう。中西部のアシッド若大将・ウッデ
ィとはボクのことさっ。さあみんな、出
かける前に、ボクのレーベル・コミュニケ
の新作を聞こうね〜」
「え〜、これって何かしら。ヘンなおじさ
んのハナ唄みたいだわ」
「うぐぐっ。そのストレ〜ンジさが、ボク
らの持ち味なんだけどな〜」
「まったく知性が感じられませんね」
「オレ、お花系の方がいいな〜」
「たはは、コレだから子供ってば…」

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COMMUNIQUE/COMM 005
ウッディによる新人
オムニバス。子供には
わからん、複雑怪奇な
味。ジャケ写の変人は?


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