ワイルド様
ナゾの美少女(失笑)と肩を組むワイルド様。 その腕の毛深さって、テクノ道に外れてない?
本誌9号特集以来、にわかに注目集めるNYテクノ。その青年行動隊長ことデーモン・ワイルド様が、突如初来日! あまりに直前の告知で不覚&涙のアナタに代って出動よん。
さて、テクノシーンなんてありゃ〜しないのに、あくまでNYや中西部を根拠に活動し続けるワイルド様と仲間たち。欧州のテクノ者と連携はしても、脱出はしない。そんな彼らの心意気と音楽性は、あの「シカゴの鳴りかた」を通して痛いほど伝わってきた(それはNYを占拠する「ハウス」との距離の取り方とも関係あるのだが、詳しくは次号で)。
あいにくこの日は、イエロー「ゼロ」特別版とぶつかり、寂しい場内。でもそこは六本木、ネクタイ族やHカップルの活動に助けられ、ちょっと違う雰囲気の中、デーモン様ご登場。
まずはKハンドからそろりスタート、S・ポインデクスタとかのシカゴものを交えながら、ゆっくり抑え目のプレイは続く。続く。え、ノリがない…。しかも家で聞くとただアホっぽいシカゴが(そしてフミヤが廻せばひたすら強く明るいシカゴが)、全然違う音で鳴っている。軽さやヘンさがなくなって、突然ナマでマジな現場に足を踏み入れちゃった感じ。
その独特の感覚は後半、自身が育てたEXやSW、そしてアナログなどNY〜中西部の秘密連帯盤を廻すときにも変らず続いた。地下室の、密室の匂い。踊っていても、肉体とは関係なしに訪れる奇妙な精神の高揚感。
終盤こそエキノックス等のヒット曲で盛り上げたが、あとは驚くほど地味な構成。本人も、「デーモン」でもなきゃ「ワイルド」でもないフツーのおにーさま(しかも『ラウド』のデータによれば、G・ニューマンが大好きという話せるお方!)。ったく、どーしてテクノ者って…と思いつつ、終了後ロビーをうろつく彼をキャッチ。
デジビの記事のことをちょこっと話すと、「フレディ・フレッシュ? オレも好きだぜ」と嬉しそう。そこで勇気を出して「で、一番注目してるのがウッディ・マクブライドなんだけど…」と言ったら、なぜか目を丸くして苦笑のワイルド様(しかも一歩引いたような気が…)。うぐ〜っ。
クラブがないから、情報が来ないからって、それを気に病むことはない。自分のいる場所こそが「シーン」のど真ン中。だから、あなたも、ねっ。
Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >