はみ出しNY特集

ハウス色の薄いNYシーンで特異なのがテンション一家。エイブ・デュークとJ・アルマンド・ライダー(あのアルマンドとは別人?)の共作(TEN 4000)は愉快なチンドン屋ハウス。新譜「インナーサンクタム」(TEN 7001)は、最近注目のパルジンガー(オーストリア人)参加のA面がグ〜、でもB面ガラージ。次にEXだが、コンピCDが4枚出てるのに買えたのは最初の2枚だけ。第1弾(EXCD-01)はまったく玉石混交で、聞いてると笑ったりメゲたり感動したり、と忙しい。第2弾(EXCD-02)では英国ドームパトロールがアホ部門を独占、他はおなじみ連中に加えてパルジンガーも参加で名曲だらけ。以下続けてコンピ特集、まず'92年のプローブ(+8の弟レーベル)第1弾(PRO11)は、先駆的すぎた発狂アシッド軍団が禁止技連発! ホーティンは当然としてもスピーディJのパブリックエナジーが、ファンキーなのに黒人からは出てこないユニ〜クな音で大歓喜。豪州ジュースの第2弾(JUICE/CD2)は、なぜか全員ジャームみたくヘン、シカゴっぽさもアリ。面白いけど、前作ではデトロイトへの敬意が爽やかだっただけに、気分はちょい複雑…。


コンピでピピピッ!

続くT.E.E.の第3弾(TEEX CD3)では、ジェームズ君のニセアシッドが神経に触る。ベルトラム、ホワン、フォークスはイイけど、そんなの当り前でぴょん。期待した意外な収穫は少なくて、ココ・スティールとマウス・オン・マーズくらい。巨大なレイブシーンが存在する桑港から届いた「IN SIGHT Vol.1」(VISIBLE/VISCD-1002)でも、断然イイのはベルトラム。彼以外はちとアカ抜けないが、少しヘンなので今後に期待。シカゴでは、なんと今ごろ出てきた歴史的名盤「アシッドトラックス」(TRAX/TX142)! 初期PフロイドっぽくおサイケなB2にも注目してね。盤質めちゃ悪いトラックス、けどアルマンド昨年のアルバム「新世界秩序」(TX5016)もス・テ・キ Xープレス2のリミックス盤(RADIKAL/RU 15021)ではホーティンがマジメにお仕事、F・D・H・キャットはヒップなCMソングか? シカゴ=デトロイト混成軍のANI「LOVE IS THE MESSAGE」(PRESCRIPTION/#105)はガラージ寄りだが浮遊感が最高、プカプカ。そしてデジビのお気に入り、デトロイトなのにシカゴ風のKハンドは最新EP(WARP/WAP 55CD)が大ヒット中。あたいも嬉し〜!


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