ずっと探していたスーサイド『ウェイ・オブ・ライフ』も、ついにそこで発見。やった〜! ところがけっこー暗い音でアリャリャ。とも思ったが、でもよく聞くと、彼らが 当時最先端のシカゴアシッドと切り結んでいることがわかる。これがロック馬鹿にはウケなかったのも当然か。(ここでちょっといい話。'78 年初め頃、ラルフとフローリアンも彼らの1st を聞いてぶったまげ、「そのレコードよこせ!」と叫んだとか。するとスーサイドはテクノというよりその源泉、ということになる!!)
SUICIDE「A WAY OF LIFE」CHAPTER 22/CHAP CD35 風変わりなアシッドハウスと思って聞こう。彼らには 珍しくジャケットもキレイ
ところで、このCDを探してあちこちのレコファンを漁っているうちに、富士の樹海 で腐乱死体に出っくわしたようなイヤな発見をした。スーサイドの歌手アラン・ベガの 近作。彼のソロは初期は良かったけど、メジャーに移ってからイマイチだったので、ず っとパスしてきたのだ。
それが、つい手をだしたら、霊にとりつかれたごとく作品が次々目につき、数日のうちに、'90年『ジュースアベニュー』(MUSIDISC 105582)、'91 年『パワー・オントゥ・ゼロアワー』(同108122)、'93 年『ニューレイシオン』(同110122)の3枚を入手していた。
ALAN VEGA「DEUCE AVENUE」MUSIDISC/105582 これ聞いたら、衛生無害の「おテクノ」なんかアホらしくって
あえて言えば1枚目がアシッドハウス、2枚目はヒップホップ的な音作りで 、3枚目はそれらとロックの自分勝手なミクスチャー、となるが、実はそんな形容はま ったくどうでもいい。アランはここに、自分だけの超絶の王国を築き上げたのだ。「音 楽」が絶滅した後の残骸のようなイカレたトラックに乗って、彼の唄は汚辱と栄光、荒 廃と豪奢、それに子供じみた欲望と深い絶望が無神経に交錯するデタラメな世界を描き 出し、聞く者をまるで、重油と香水を替わるがわるブッかけられたような気分にしてく れる。まったく、世の中にはとんでもない奴がいる!
Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >