カラダはでっかいけど、卓のつまみをチョッチョ といじるその姿はまるで可愛い小鳥さん
オランダ特集、もう一発。さわやかテクノの第一人者、貴公子スピーディJ来日公演 ! 本誌だけがとらえた彼の心の真実(苦笑)とは?
今や良識人には完全にシカトされているガバ(ロッテルダムテクノ)。が、今日の姿 はともかく、これも本来は '80年代末のシカゴアシッドを白人流に誤解してできたス タイル。そして、ワープのAI路線で一気に世界的スターになったスピーディJ(ヨヘム・パープ。26歳?)も、かつてはそのシーンの中にいたのだ。
ロッテルダムのきわめてまっとうな家庭に育った彼にとって、人生最初の「事件」は ダンス音楽との出会いだった。14歳でヒップホップのDJを始め、やがてアシッドに関 心が移った彼はDJで稼ぎながら機材を買い集め、テクノ活動を開始。が、やがて「暴 力的で非音楽的」になってきたガバのシーンにイヤ気がさし、カナダの +8 にコンタ クトを取ってそこからデビューを飾る('90年)。
この頃の「プルオーバー」という曲を聞くと、なんとバカぴょんアシッド! ひょっ としたら、AI路線よりこっちの方がイイかも。しかし、彼はそこから踏み出したのだ。で、ひょんな事情から来日したヨヘム。この夜はマルチトラックとシーケンサを走ら せながら卓をいじくる、というライブを展開。最初静かな曲から入ってきて、やがてビ ートが入り、そこにキレイな電子音が乗っかるとなんだかふわりと体が浮くような夢心 地。気持ちいい〜。名曲「ペッパー」も交えての演奏はホント、束の間の夢だったよう な感じ。
後で彼にデジビを渡したら「マガジン?」とか言ってそれを口にくわえなが ら着替えたり、快く撮影に応じてくれたりと、さわやか青年ぶりを遺憾なく発揮。スピ ーディJという芸名はDJ時代、レコードさばきがあまりに素早いことから付いたアダ 名、と教えてくれた。イイ奴。彼の音楽そのまんま。この人の心の中には、汚いモノな んかぜんぜん入ってないのかな。もしそれがあるなら、自分のそういう部分も音楽で吐 き出してみては、と思うんだけど…。
和蘭陀テクノの王子さま、スピーディJ。 横顔がステキ、着替え中をパチリ!
Nogucci Harumi < MGH03372@niftyserve.or.jp >